共感の落とし穴

スクールカウンセラーとして、色々な小中学校に関わっていると、暴れる子、授業を妨害する子、反抗する子など、集団生活がしんどくなっている子と接することがあります。その子供達に話を聞くと、親子関係、友人関係、教師との関係などで辛い思いをしているようです。最近は、学校の先生方も「共感第一」なので、話を聞いて子供の気持ちに寄り添おうとする先生方が多いです。昔のように高圧的に叱る先生は非常に少なくなりました。しかし、「共感すること」は大切ですが、それだけでは問題は解決しません。しかし「共感こそが大切!」と思いこんでいるのが今の学校現場なので、表面的なやさしさの落とし穴にはまりやすいのです。本来は「共感はしても、その行動は許さない。それが君のためなんだ」という毅然とした厳しい態度が大切です。それを具体的に進める方法の一つに、認知行動療法があります。しかし、この療法を使うスクールカウンセラーや教師はそう多くありません。この認知行動療法が学校現場にもっと広まって、子供たちが、すこやかに成長することを願っています。

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