ささやかなお葬式

亡くなられた方は檀信徒さんではありませんが、縁のある方。その方は、無神論者で、生前から「お葬式は不要。家族以外に知らせる必要なし」と言っておられました。そのため、遺された奥さんは供養の仕方を悩んでおられました。他県在住ですし、奥さんも病気治療中ということもありましたので、荼毘に付した後(火葬後)、お骨をお寺に持参いただき、當寺の本堂でお葬式を行いました。数人のご親族もお参りされ、ささやかながらも作法にのっとり剃髪(ていはつ)し・引導(いんどう)を渡し、葬儀を行いました。お布施も、ごくごくお気持ちだけでいただきました。ご自宅での後祀りができないため、四十九日まで故人には、毎朝本堂でお経を聞いていただきます。無神論の方の魂でも読経が迷惑になることはないでしょう。僧侶の役割は、その方、そのケースに合わせて、ご遺族の気持ちに寄り添うことですね。

本堂葬